クラフトビールは、銘柄ごとに味わいや香りが異なり、奥深い世界を楽しむことができる飲み物です。
しかし、種類が多すぎて「どれから試せばいいのかわからない」と感じることもあるかもしれません。
最初の一杯でクラフトビールの魅力をしっかり感じられるように、初心者におすすめの5種類を紹介します。
クラフトビールの世界を楽しむ!
クラフトビールは、スタイルごとに味わいの特徴が異なります。
苦味がしっかり感じられるものもあれば、フルーティーな香りが広がるものもあり、飲み比べることで好みのスタイルを見つけることができます。
初心者が最初に選ぶビールは、飲みやすさと個性をバランスよく感じられるものがおすすめです。
クラフトビールを飲み始めたころ、最初に感じたのは「普段飲んでいるビールとはまったく違う」という驚きでした。
種類によって風味や香りが大きく異なり、一杯ごとに新しい発見があることが魅力です。
ピルスナーの爽やかさ
ピルスナーは、日本の大手ビールメーカーが多く採用しているスタイルで、すっきりとした味わいとキレのある後味が特徴です。
炭酸が効いていて喉ごしがよく、クセの少ない飲みやすさが魅力です。
クラフトビール初心者が最初に手に取りやすいビールとして、まず試してほしいスタイルのひとつです。
クラフトビールのピルスナーは、大手メーカーのビールと比べて、より丁寧に作られていることが多く、麦の風味やホップの香りがより豊かに感じられます。
一般的なピルスナーに慣れている場合でも、クラフトビールのピルスナーを飲むと「こんなに味わいが違うのか」と驚くことがあります。
すっきりとした飲み口の中にも、麦芽の甘みやホップの心地よい苦味がバランスよく感じられ、飲むほどに奥深さが増していきます。
ピルスナーの誕生と歴史
ピルスナーは、1842年にチェコのプルゼň(ピルゼン)という街で誕生しました。
もともと、ビールは濁ったものが多かったのですが、当時の醸造家たちは透明で黄金色に輝くビールを作ることに成功しました。
それが「ピルスナー・ウルケル」と呼ばれる、世界初のピルスナービールです。
このスタイルが人気を博し、世界中に広まっていきました。
ピルスナーは、ラガー酵母を低温で発酵させて作られる「下面発酵ビール」に分類されます。
発酵温度が低いことで、雑味が少なくクリアな味わいになり、喉ごしの良さが際立ちます。
そのため、食事と一緒に飲んでも料理の味を邪魔せず、幅広いシーンで楽しめるビールとなっています。
クラフトビールならではのピルスナーの魅力
大手メーカーのピルスナーは、どんな人にも飲みやすいように設計されていますが、クラフトビールのピルスナーは、より個性的な味わいを楽しめることが特徴です。
たとえば、使用するホップの種類によって、爽やかな柑橘系の香りを感じるものや、フローラルな香りが広がるものなど、銘柄によって微妙に異なる風味を楽しめます。
また、クラフトビールのピルスナーは、よりしっかりとした麦の風味を感じられるものが多いです。
一般的なピルスナーと比べて、甘みやコクが強く、飲みごたえがあるのが魅力です。
「ピルスナーは軽いビール」というイメージを持っている場合でも、クラフトビールのピルスナーを飲むと、その奥深さに驚くかもしれません。
実際にクラフトビールのピルスナーを飲んでみると、喉ごしの爽快感の中に、麦の香ばしさやホップの余韻が感じられ、大手ビールとは違った味わいがあることがわかります。
初めてクラフトビールを飲んだとき、まず試したのがピルスナーでした。
馴染みのある味わいながらも、より豊かな香りと深いコクがあり、思わず「クラフトビールってこんなに違うのか!」と感動しました。
ピルスナーに合う料理
ピルスナーのすっきりとした味わいは、さまざまな料理と相性が良いです。
特に、シンプルな味付けの料理や、揚げ物、塩味の効いた料理とよく合います。
例えば、鶏の唐揚げやフィッシュアンドチップスなどの揚げ物と合わせると、ピルスナーの爽快な喉ごしが油っぽさをスッキリと流してくれます。
唐揚げのジューシーな旨味と、ピルスナーの軽やかな飲み口のバランスが最高です。
また、シンプルな塩味の効いた枝豆やナッツなどのおつまみとも相性抜群です。
ピルスナーのすっきりとした味わいが、素材の味を引き立ててくれるため、軽く飲みたいときにもぴったりです。
おすすめのクラフトピルスナー
クラフトビールのピルスナーは、さまざまなブルワリーが個性豊かなスタイルで醸造しています。
日本国内にもおいしいクラフトピルスナーが多く、地域ごとに違った味わいを楽しむことができます。
例えば、長野県の「志賀高原ビール」のピルスナーは、しっかりとした麦芽の風味と、ホップの爽やかな香りが絶妙にマッチしています。
軽やかな飲み口の中にもしっかりとしたコクがあり、クラフトビール初心者にもおすすめの一本です。
また、北海道の「ノースアイランドビール」のピルスナーは、すっきりとした味わいながらも、柑橘系のホップの香りが華やかで、普通のピルスナーとは一味違った楽しみ方ができます。
ピルスナーは、初心者でも飲みやすいスタイルですが、クラフトビールのピルスナーは、ブルワリーごとに個性があり、飲み比べると違いを感じられるのも楽しいポイントです。
ペールエールのフルーティーな香り
ペールエールは、ホップの香りと麦の甘みが絶妙に調和した、バランスの良いビールです。
苦味はそこまで強くなく、ほんのりとした甘さとフルーティーな香りが感じられるのが特徴です。
ビールの苦味が苦手な場合でも、ペールエールなら飲みやすく感じることが多いかもしれません。
クラフトビールの魅力のひとつは、香りの豊かさにあります。
ペールエールをグラスに注ぐと、柑橘系の爽やかな香りがふわっと広がり、飲む前から楽しめるのが魅力です。
ホップの種類によっては、オレンジやグレープフルーツのような香りが強く感じられるものもあれば、華やかでフローラルな香りが楽しめるものもあります。
初めてペールエールを飲んだとき、まるで果物のような香りが鼻を抜けていく感覚に驚きました。
それまで「ビールは苦くて喉ごしを楽しむもの」というイメージがあったのですが、その固定観念が一気に覆されました。
フルーティーな香りが広がることで、飲む前からワクワクし、口に含むと優しい甘みとホップのほのかな苦味が心地よく感じられました。
それをきっかけに、「ビールってこんなに多様な味わいがあるんだ!」とクラフトビールの世界にどっぷりとハマることになりました。
ペールエールの歴史とスタイル
ペールエールは、イギリス発祥のビアスタイルです。
18世紀頃、炭を使って麦芽を乾燥させる製法が開発され、それによって淡い色の麦芽が作られるようになりました。
これまでのビールは黒っぽい色をしていましたが、新しい製法によって作られたビールは「ペール(淡い)」な色合いになったことから、「ペールエール」と呼ばれるようになりました。
ペールエールの特徴は、ホップの香りと麦芽のコクのバランスが取れていることです。
イギリス発祥の「イングリッシュ・ペールエール」は、カラメルのような甘みと上品な苦味があり、落ち着いた味わいが楽しめます。
一方、アメリカで発展した「アメリカン・ペールエール」は、ホップの香りがより華やかで、柑橘系やトロピカルフルーツのようなフレーバーが強調されているのが特徴です。
クラフトビールの世界では、アメリカン・ペールエールが特に人気があります。
ホップの香りが豊かで、苦味も程よく、麦の甘みとのバランスが絶妙だからです。
柑橘系の爽やかな香りが広がり、飲むたびにフレッシュな印象を受けるので、クラフトビール初心者にもおすすめです。
ペールエールに合う料理
ペールエールは、ホップの香りが華やかで、麦芽の甘みと苦味のバランスが取れているため、幅広い料理と合わせやすいビールです。
特に、軽めの肉料理やスパイスを効かせた料理との相性が抜群です。
例えば、ローストチキンやグリルした豚肉は、ペールエールの麦の甘みとマッチします。
お肉のジューシーな旨味を引き立てつつ、ホップの爽やかさが脂っこさをリセットしてくれます。
また、タコスやスパイスを使った料理とも相性が良いです。
特に、メキシコ料理のチリコンカンやスパイスの効いた唐揚げと合わせると、ホップのフルーティーな香りがスパイスの風味を引き立ててくれます。
個人的にお気に入りのペアリングは、「ペールエール×シーフード」です。
白身魚のフライやエビのグリルなど、シンプルな味付けのシーフードと合わせると、ペールエールのフルーティーな香りがより際立ちます。
ビールの爽やかさと魚介の旨味が口の中で広がり、何度でも楽しみたくなる組み合わせです。
おすすめのクラフトペールエール
ペールエールは、多くのクラフトブルワリーがこだわりを持って作っているスタイルのひとつです。
国内でもおいしいペールエールがたくさんあり、それぞれ個性豊かな味わいを楽しめます。
例えば、長野県の「ヤッホーブルーイング」が醸造する「よなよなエール」は、日本を代表するアメリカン・ペールエールです。
グレープフルーツのような柑橘系の香りと、モルトの甘みがバランスよく、初心者でも飲みやすい味わいです。
また、神奈川県の「サンクトガーレン」の「ペールエール」もおすすめです。
イングリッシュ・ペールエールのスタイルに近く、カラメルのような甘みと、上品な苦味が心地よいビールです。落ち着いた味わいを楽しみたいときにぴったりです。
ペールエールは、銘柄ごとにホップの香りや苦味のバランスが異なるため、飲み比べてみるのも楽しいです。
同じペールエールでも、「このビールはよりフルーティー」「こっちはモルトの甘みがしっかりしている」といった違いが感じられます。
IPAのしっかりした苦味を体験する
IPA(インディア・ペール・エール)は、クラフトビールの代表的なスタイルのひとつで、ホップの苦味と香りがしっかり感じられるのが特徴です。
苦味が強めですが、その奥にある柑橘系のフレーバーや華やかな香りが魅力で、飲むたびに新しい発見があるビールです。
最初にIPAを飲んだとき、「こんなに苦いの?」と驚くこともあるかもしれません。
しかし、この苦味はクセになることが多く、何度か飲んでいくうちにホップの奥深さや香りの豊かさに魅了されることがよくあります。
飲み慣れると、単なる「苦いビール」ではなく、「香り高く、複雑で、飲むほどに楽しいビール」という印象に変わっていきます。
IPAはクラフトビールの中でも特に個性的なビアスタイルです。
ホップの使い方によって、柑橘系、松のような樹脂感、トロピカルフルーツのような香りなど、さまざまな表情を見せてくれます。
ひと口飲んだ瞬間に鼻から抜けるフレッシュな香りは、IPAならではの醍醐味です。
IPAの歴史と特徴
IPAの起源は18世紀のイギリスにさかのぼります。
当時、イギリスからインドへビールを輸出する際に、長い航海でも劣化しにくいビールを作る必要がありました。
そこで、防腐効果のあるホップを大量に使用し、アルコール度数も高めたビールが開発されました。
それが「インディア・ペール・エール(IPA)」の始まりです。
現在では、IPAはアメリカで特に発展し、クラフトビールの象徴的な存在となっています。
アメリカンIPAは、イギリスのIPAよりもホップの香りが強く、苦味もしっかりしています。
特に、シトラやモザイクといったホップを使用することで、柑橘系やトロピカルフルーツのようなアロマが際立つものが多く、クラフトビールファンにとっては欠かせないスタイルとなっています。
IPAにはいくつかの種類があります。
- ウェストコーストIPA は、強い苦味と柑橘系の香りが特徴で、キリッとした後味が楽しめます。ホップの苦味がダイレクトに感じられるため、IPA好きにはたまらないスタイルです。
- ニューイングランドIPA(NEIPA) は、ホップの香りが際立ち、苦味が穏やかでフルーティーな味わいが楽しめます。見た目が濁っているのが特徴で、ジューシーな飲み口が人気です。
- セッションIPA は、アルコール度数を低めに抑え、飲みやすさを重視したIPAです。IPAの香りやフレーバーを楽しみたいけれど、軽く飲みたいときにぴったりです。
IPAに合う料理
IPAのしっかりとした苦味と華やかな香りは、料理と合わせるとその魅力がさらに引き立ちます。
特に、スパイシーな料理や脂ののった料理と相性が良いです。
例えば、スパイシーなカレー や メキシカン料理 は、IPAの苦味とホップの香りがスパイスの辛さを引き立てながら、爽快感を与えてくれます。
IPAの柑橘系の香りが、スパイスの複雑な風味と調和し、口の中で心地よいハーモニーを生み出します。
また、グリルした肉料理 との相性も抜群です。
IPAの苦味が脂っこさをリセットし、ホップの香りが肉の旨味を引き立てます。
特に、バーベキューソースを使ったスペアリブやステーキなどは、IPAと合わせるとやみつきになる組み合わせです。
個人的におすすめなのは、フライドチキンとIPA のペアリングです。
IPAの強い苦味と炭酸が、チキンの衣の油をスッキリと流してくれるため、どんどん食べ進めたくなります。
さらに、柑橘系の香りがフライドチキンのスパイスと絶妙にマッチし、食欲をそそります。
おすすめのクラフトIPA
国内外でさまざまなIPAが醸造されており、それぞれ個性が異なります。
IPAの魅力を最大限に楽しむには、いくつかの種類を飲み比べてみるのがおすすめです。
例えば、長野県の「ヤッホーブルーイング」が作る「インドの青鬼」は、日本のクラフトビールシーンを代表するIPAのひとつです。
ガツンとした苦味と柑橘系の香りが特徴で、IPAらしさをしっかり感じられる一杯です。
また、アメリカの「ストーン・ブリューイング」の「ストーンIPA」は、IPAの王道とも言える味わいです。
松のようなホップの香りと、シャープな苦味が特徴で、IPAを飲み慣れている人にも人気があります。
初心者向けには、ニューイングランドIPA(NEIPA) がおすすめです。
たとえば、「常陸野ネストビール」の「だいだいエール」は、オレンジのようなフルーティーな香りがあり、苦味が控えめで飲みやすいです。
IPAの魅力を感じつつ、初心者でも挑戦しやすいバランスの取れたビールです。
ヴァイツェンの優しい味わい
ヴァイツェンは、小麦を使ったビールで、バナナのような甘い香りとクリーミーな口当たりが特徴です。
苦味がほとんどなく、やわらかい味わいなので、ビールが得意でない場合でも飲みやすいと感じることが多いかもしれません。
グラスに注ぐと、ふんわりとした泡と、少し濁りのある明るい黄金色が印象的です。
この見た目だけでもヴァイツェンの個性が感じられ、飲む前からワクワクした気持ちになります。
ひと口飲むと、バナナやクローブのような甘くスパイシーな香りが広がり、まるでフルーツを食べているような感覚に包まれます。
ヴァイツェンを初めて飲んだとき、ビールとは思えないほどの甘く優しい香りに驚きました。
それまでの「ビールは苦いもの」というイメージが覆り、「こんなにも飲みやすく、香り豊かなビールがあるのか」と感動しました。
のどごしもまろやかで、リラックスしたいときにぴったりのビールだと感じました。
ヴァイツェンの歴史と特徴
ヴァイツェンは、ドイツ・バイエルン地方で発展した伝統的なビールです。
「ヴァイツェン」とはドイツ語で「小麦」という意味で、その名の通り大麦麦芽のほかに小麦麦芽を50%以上使用して醸造されます。
小麦を使用することで、一般的なビールよりもやわらかく、ふんわりとした口当たりになるのが特徴です。
また、ヴァイツェン特有の香りを生み出しているのは、ビール酵母の働きによるものです。
発酵の過程でバナナのようなエステル香や、クローブのようなフェノール香が生まれ、他のビールとは一味違うフルーティーでスパイシーな香りを楽しむことができます。
ヴァイツェンには、いくつかの種類があります。
- ヘーフェヴァイツェン は、酵母が残った状態で提供されるヴァイツェンで、濁りのある見た目と、酵母由来のコクのある味わいが特徴です。
- クリスタルヴァイツェン は、フィルターをかけて酵母を取り除いた透明なヴァイツェンで、よりすっきりとした味わいになります。
- ドゥンケルヴァイツェン は、焙煎した麦芽を使用した濃い色のヴァイツェンで、カラメルのような甘みとコクが楽しめます。
ヴァイツェンは、アルコール度数が比較的低めで、飲みやすいのも魅力のひとつです。
暑い日に爽やかに楽しむのはもちろん、寒い日にはそのやさしい味わいが心をほっと落ち着かせてくれます。
ヴァイツェンに合う料理
ヴァイツェンのやわらかな甘みとフルーティーな香りは、さまざまな料理と相性抜群です。
特に、軽めの味付けの料理や、スパイスの効いた料理と合わせるとおいしさが引き立ちます。
例えば、ソーセージやハムなどのドイツ料理 とは相性がとても良いです。
ヴァイツェンのまろやかな口当たりが、肉の塩味を優しく包み込み、後味をすっきりとさせてくれます。
特に、白ソーセージ(ヴァイスヴルスト)と合わせると、ヴァイツェンの甘い香りがより引き立ちます。
また、白身魚のグリルやシーフード料理 との相性も抜群です。
ヴァイツェンのやわらかい風味が、魚の淡白な味わいを邪魔せず、繊細な旨味を引き立ててくれます。
レモンを絞った魚料理と合わせると、ヴァイツェンのフルーティーな香りが一層引き立ち、爽やかな組み合わせになります。
個人的におすすめなのは、スパイスを使った料理とヴァイツェンの組み合わせです。
例えば、カレーやタイ料理などのスパイシーな料理と一緒に飲むと、ヴァイツェンの甘みがスパイスの辛さをやわらげ、絶妙なバランスを生み出します。
特に、バナナのような香りがカレーのスパイスとマッチして、意外なほどおいしい組み合わせになります。
おすすめのクラフトヴァイツェン
日本国内にも、おいしいヴァイツェンを作るブルワリーが増えています。
例えば、長野県の「ヤッホーブルーイング」が作る「水曜日のネコ」は、ヴァイツェンのやさしい味わいを楽しめるビールのひとつです。
オレンジピールとコリアンダーシードを使用しており、ヴァイツェンらしいフルーティーさに加えて、爽やかな柑橘の香りが楽しめます。
また、兵庫県の「六甲ビール」が醸造する「六甲ヴァイツェン」は、伝統的なヴァイツェンのスタイルを忠実に再現し、バナナのような甘い香りとクリーミーな口当たりが特徴です。
海外のものでは、ドイツの「ヴァイエンシュテファン ヘーフェヴァイツェン」が有名です。
世界最古の醸造所が作るヴァイツェンで、伝統的な味わいを存分に楽しめます。
スタウトのコク深い味わい
スタウトは、焙煎した麦芽を使用した黒ビールで、チョコレートやコーヒーのような香ばしい風味が特徴です。
見た目は真っ黒で、一見すると重そうな印象がありますが、実際に飲んでみると口当たりは意外とスムーズで、甘みと苦味のバランスが絶妙に調和しています。
クラフトビールの奥深さをじっくり味わいたいときにぴったりのスタイルです。
初めてスタウトを飲んだとき、その濃厚な香りと味わいに驚きました。
ビールというよりも、まるでコーヒーやカカオを楽しんでいるような感覚になり、「こんなにも豊かなフレーバーを持つビールがあるのか」と感動しました。
特に、ナッツやキャラメルのような香ばしさが口の中に広がり、デザート感覚で楽しめることにも驚きました。
スタウトの種類と特徴
スタウトにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる個性を持っています。
好みやシチュエーションに合わせて選ぶことで、よりスタウトの魅力を楽しむことができます。
アイリッシュスタウトは、アルコール度数が比較的低めで、キレのある苦味が特徴です。
代表的なものとして「ギネス」があり、クリーミーな泡とまろやかな口当たりが魅力です。
オートミールスタウトは、麦芽に加えてオートミールを使用することで、さらに滑らかな口当たりを実現しています。
コクのある味わいとクリーミーな飲み心地が特徴で、濃厚ながらも優しい口当たりが楽しめます。
インペリアルスタウトは、アルコール度数が高く、濃厚でリッチな味わいが特徴です。
もともとはロシア皇帝向けに作られたと言われており、カカオやドライフルーツのような複雑な香りが広がります。
特別な日にゆっくり味わいたい一杯です。
スイートスタウト(ミルクスタウト)は、乳糖(ラクトース)を加えて甘みを強調したスタウトです。
ほんのり甘い味わいが特徴で、デザートビールとしても楽しめます。甘いものが好きな場合には特におすすめです。
スタウトに合う料理
スタウトは、濃厚で香ばしい風味を持っているため、相性の良い料理も豊富です。
特に、グリルした肉料理やスイーツとの組み合わせが抜群です。
例えば、ビーフシチューやローストビーフ などの肉料理とは相性が非常に良いです。
スタウトの深みのあるコクが、肉の旨味をさらに引き立て、濃厚な味わいの相乗効果を生み出します。
実際にビーフシチューとスタウトを合わせたとき、その組み合わせの素晴らしさに驚きました。
ビールの苦味が肉の脂をスッキリと流しつつ、麦芽の甘みがシチューのコクと溶け合い、まるで料理がワンランクアップしたような感覚になりました。
また、チョコレートやチーズケーキ とのペアリングもおすすめです。
特に、ビターチョコレートとの組み合わせは絶品です。
スタウトのロースト香とカカオの苦味が見事に調和し、口の中で濃厚なハーモニーを奏でます。
さらに、クリームチーズを使ったデザートとも相性が良く、チーズのなめらかさとビールのコクが絶妙にマッチします。
おすすめのクラフトスタウト
日本国内にも、個性豊かなスタウトを造るブルワリーが増えてきています。
「常陸野ネストビール」のエスプレッソスタウト は、コーヒーのような香ばしい香りと、しっかりとした苦味が特徴です。
まるでカフェラテを飲んでいるような感覚になり、コーヒー好きにはたまらない一杯です。
「志賀高原ビール」のポーター は、焙煎麦芽の香ばしさとホップの苦味が絶妙に調和したビールです。
比較的軽めの飲み口で、スタウト初心者でも楽しみやすいのが魅力です。
海外のものでは、アメリカの「ファウンダーズ」のブレックファストスタウト が有名です。
オートミール、チョコレート、コーヒーを使った贅沢な一杯で、朝食のコーヒーの代わりに飲みたくなるほどの味わいです。
スタウトの楽しみ方
スタウトは、冷やしすぎずに飲むのがおすすめです。
冷蔵庫から出して少し置き、10〜15度くらいにすると、ビールの香りや甘みがより引き立ちます。
また、ワイングラスのような口が広めのグラスで飲むと、香りが立ちやすく、よりリッチな風味を楽しめます。
実際に試してみたところ、缶のまま飲むよりも香りがふんわりと広がり、スタウトの奥深さをより実感できました。
まとめ
クラフトビールの世界は奥が深く、飲めば飲むほど新しい発見があります。
最初にどのビールを選ぶかで印象が大きく変わるため、初心者でも飲みやすく、それぞれの特徴がしっかり感じられるスタイルを選ぶのが大切です。
ピルスナーの爽快感、ペールエールのフルーティーさ、IPAのホップの香り、ヴァイツェンの優しい味わい、スタウトの深いコク。
それぞれ異なる個性を持ちながらも、クラフトビールの魅力を存分に味わえるスタイルばかりです。
最初の一杯が「クラフトビールって美味しい!」という体験につながれば、もっといろいろなビールを試したくなるはずです。
自分に合ったビールを見つけて、クラフトビールの世界を楽しんでみてください。
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