クラフトビールって、飲むたびに「えっ、これビールなの?」って驚くことありませんか?
実はその“驚き”の正体、多くは「副原料」にあるんです。
副原料とは、麦芽・ホップ・水・酵母以外の素材のこと。
たとえば、フルーツやスパイス、コーヒーや海藻まで…とにかく自由で個性的!
この記事では、クラフトビールに使われる代表的な副原料の種類や、その使い方、味わいへの影響まで、わかりやすくご紹介します。
ビール初心者さんも、ちょっとマニアな方も、きっと新しい発見があるはずですよ!
麦芽の役割と日本の酒税法の改正
ビールと聞いてまず思い浮かべるのは「麦芽」でしょう。
麦芽はビールの原料のなかでも中心的な存在で、発酵に必要な糖分のもとになります。
私も最初は麦芽って単なる穀物の一種だと思っていたのですが、実際は発芽させて乾燥させた大麦で、これがビールの味や色、香りに大きく影響しているのです。
日本の酒税法では長らく、ビールに使う麦芽の割合は原料の3分の2以上と決められていました。
これが平成29年、つまり2017年の酒税法改正で、麦芽の使用比率が半分以上に引き下げられたのです。
これにより、今までよりも多様な副原料がビールに使えるようになりました。
この改正は私にとっては驚きでした。
というのも、今までのビールは麦芽の割合が高いほど「本格派」というイメージが強かったからです。
でも実際には副原料を使うことで、味に新しい表情が生まれていて、ビールの可能性が広がっているんですよね。
ビールに使われる副原料とその特徴
副原料って聞くと、なんだかビールの味にどう影響するのかピンとこないこともありますよね。
でも副原料を理解すると、いつものビールの味わいがガラッと変わる瞬間を感じられるかもしれません。
副原料は大きく分けて「でんぷんを補うもの」と「香味を補うもの」に分かれていて、それぞれ使われ方も全然違います。
でんぷんを補う副原料
ビールの主原料は麦芽ですが、でんぷんを多く含む穀物やイモ類を副原料として使うことが多いです。
これは麦芽だけだと味が濃くなりすぎたり、重たくなりがちなところをサラッと飲みやすくするために使われます。
例えば「とうもろこし」や「米」、そして「ばれいしょ(じゃがいも)」からとれるでんぷんが有名です。
とうもろこしは「コーングリッツ」という形で粉にして使われることが多く、わたしもこの粒の感触をパンや料理で見かけることがよくあります。
原料として使われるとうもろこしは甘みがあり、飲みやすくしてくれるんですよね。
米もまた副原料としてよく使われていて、日本のビールにさっぱり感を加えてくれます。
麦芽だけのビールに比べて、米が入ると軽やかでクリアな味わいになることが多いです。
ばれいしょ(じゃがいも)からとれるでんぷんは、粉末状の「スターチ」としてビールに使われることがあります。
じゃがいものでんぷんはクセが少なく、ビールの濃厚さを和らげるのに役立っています。
それから「こうりゃん(ソルガム)」という雑穀も、副原料として使われることがあります。
これは特にアフリカや中国で古くから使われていて、クラフトビールの世界でも新しい味の探求として注目されています。
赤や白のソルガムがあって、それぞれ独特の風味がビールに加わるので個人的にはすごく興味深いです。
香味を補う副原料
でんぷんを補う副原料と違って、香味を補う副原料はビールの香りや味の個性を大きく変えるために使われます。
ホップ以外にも、香辛料やハーブ、果実などがたくさん認められているんです。
スパイスの代表格はコリアンダーシードですね。
パクチーの葉っぱじゃなくて種の方なので、爽やかでちょっとスパイシーな香りがビールに加わります。
コリアンダーシード入りのビールはベルギースタイルでよく見かけますし、HOPPIN’ GARAGEの「ホッピンラガー」でも使われています。
香辛料としてはクローブやシナモン、こしょうなども使われていて、これが入るとちょっとスパイシーで温かみのある味わいに変わるんですよね。
わたしはクローブの香りが入ったビールを飲むと、冬の寒い夜にぴったりだなあと感じます。
ハーブ類もビールの香りづけに欠かせません。
カモミールやセージ、バジル、レモングラスなどが挙げられていて、それぞれフローラルや爽快感をプラスしてくれます。
特にレモングラスが入ったビールは、暑い日にゴクゴク飲みたくなる爽やかさがあります。
それから果実も香味付けに使われる副原料です。
かぼすやオレンジピールなどがよく知られていて、これらは柑橘系のさっぱりした香りと酸味をビールに与えてくれます。
実際、HOPPIN’ GARAGEの「おつかれ山ビール」にはかぼすが使われていて、すごく飲みやすくて気に入っています。
驚くかもしれませんが、蜂蜜や味噌、さらにはかつお節までビールの副原料として認められています。
かつお節の風味がビールにどんな影響を与えるのかは気になるところですけど、他の魚節はダメというルールの細かさもおもしろいですよね。
クラフトビールにおける副原料の使われ方
クラフトビールって、とにかく自由な発想と遊び心にあふれてるのが魅力ですよね。
副原料もその例外じゃなくて、クラフトビールの世界では「こんなものまで入れるの!?」って驚くような素材が使われていることがよくあります。
副原料を通して、造り手の個性や地域性、さらにはストーリーまでもが伝わってくるのがクラフトビールの面白いところなんです。
地域の特産品を使って“地ビール”感を演出
クラフトビールでは、その土地ならではの副原料を取り入れることがよくあります。
たとえば、北海道のブルワリーがラベンダーやハスカップを使ったビールを造ったり、九州のビールに柚子やかぼすを使ったり。
まさに「地元を飲む」っていう感覚で、旅行先で見つけるとつい買いたくなっちゃうやつですね。
この“ご当地感”を出すために副原料が活用されることって、クラフトビールではかなり多いです。
「あ、この味は○○県っぽいな〜」なんて、飲みながら旅気分を味わえるのも醍醐味のひとつ。
味の個性をとことん追求できるのがクラフトビールの強み
副原料の使い方って、大手メーカーのラガーだと「飲みやすさ重視」で軽く仕上げる目的が多いんですが、クラフトビールは逆で、「とがった個性」を出すために副原料を積極的に使うケースが多いんですよね。
たとえば、スモークチーズの香りを連想させるビールとか、ハチミツの甘さと苦味が共存してるビールとか。
副原料をうまく使うことで、ビールの枠を超えたような新しい味わいが生まれます。
私が前に飲んだクラフトビールでは、ほうじ茶を副原料に使ってて、香ばしさがまるで和菓子みたいで衝撃的でした。
「ビールって、こういう表現もできるんだ!」って感動しましたね。
ストーリー性やコンセプトを表現するツールとしての副原料
クラフトビールって、「ただうまい」だけじゃなくて、その裏にある物語やメッセージも含めて楽しむものだと思うんですよね。
副原料は、そんなストーリーを形にするための大事なツールだったりします。
たとえば、HOPPIN’ GARAGEのような“物語からビールをつくる”ブランドでは、依頼者の思い出の味や、人生の節目に関わる素材が副原料として選ばれたりします。
ある人の結婚式に出したいってことで「梅干し」が使われたり、夏祭りの思い出から「りんご飴のシロップ風味」を再現したり。
こういう発想はクラフトビールならではですよね。
わたしも誰かの人生をヒントにしたビールを飲んだとき、「この人はどんな気持ちでこれを造ってもらったんだろう…?」って想像するのがすごく楽しかったです。
季節限定ビールで“旬”を演出
副原料は、季節感を演出するためにもめちゃくちゃ重宝されています。
春には桜、夏にはシークヮーサーやレモングラス、秋はかぼちゃ、冬はスパイスや柚子…といった具合に、クラフトビールは四季を味で楽しめる飲み物でもあるんですよね。
個人的に好きなのは、秋限定で出るパンプキンエール。
シナモンやナツメグなんかも一緒に入ってて、まるでパンプキンパイみたいな味になるんですよ。
甘い香りとビールの苦味が絶妙で、毎年つい買っちゃいます。
副原料を主役にするビールも!
クラフトビールの中には、副原料を“ちょい足し”どころか、完全に主役として据えているビールもあります。
たとえば、「スパイスビール」や「フルーツエール」はその代表格。
レモンやいちごなどの果実を大量に使ったビールは、もはや「ビール風味のフルーツジュース」なんて言われることもありますが(笑)、その果物感こそが魅力だったりするんですよね。
他にも、コーヒー豆やチョコレートを使ったスタウト系のビールなんかは、デザートと一緒に楽しめる“食後の一杯”としても人気です。
まとめ
クラフトビールにおける副原料の魅力、伝わったでしょうか?
副原料は、ビールの個性を引き立てたり、季節感を表現したり、その土地ならではの特色を出すための大切な要素。
だからこそ、同じスタイルのビールでもまったく違う味わいに仕上がるんです。
ぜひ、次にクラフトビールを飲むときは「これ、どんな副原料が入ってるんだろう?」とラベルを見たり、説明をチェックしてみてください。
副原料を知れば、クラフトビールの楽しみ方がグッと広がりますよ!
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