クラフトビールが好きになると、自然と気になってくるのが「どんなグラスで飲むか」ということ。
最初は缶のまま飲んだり、家にあるコップで済ませていたのに、気づいたら専用グラスを探している自分がいました。
これがまた、想像以上に味や香りを変えてくれるんです。
今回は、自分の体験も交えながら、クラフトビールをもっと楽しむためのグラスの選び方についてお話ししていきます。
これを読んだあと、冷蔵庫のビールを開けるのがきっともっと楽しみになるはずです。
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クラフトビールはグラスひとつで変わる
ある日、クラフトビール専門のバーで飲んだIPAが、いつも以上に美味しく感じたんです。
お店の雰囲気のせいかと思っていたら、ふと目に留まったのが使われていたチューリップ型のグラス。
見た目も香りの立ち上がりも、自宅で飲むのとまるで違っていたのをよく覚えています。
ビールって、実はグラスの形状によって味や香りの感じ方が大きく変わるんですよね。
ワイングラスや日本酒の器がそうであるように、ビールにも最適な「器」があるというわけです。
思い返してみると、自宅で缶からそのまま飲んでいたときは、香りや泡立ちにそれほど注目していませんでした。
でも、ちゃんとしたグラスに注ぐと、見た目からもう違うんですよね。
泡がしっかり立って、色合いも美しく映える。
それだけで、同じビールが何倍も特別に感じられるから不思議です。
クラフトビールのスタイル別に合うグラスを知っておくと便利
クラフトビールには本当にたくさんのスタイルがあります。
それぞれに向いているグラスを選ぶだけで、同じビールが別物のように感じられるから不思議です。
IPAには「チューリップ型」
IPAの魅力は何と言ってもホップの香り。
これを最大限楽しむには、口がすぼまったチューリップ型がぴったりです。
くびれた形状が香りを閉じ込めつつ、飲むときにふわっと立ち上がらせてくれる。
このグラスに変えてから、柑橘やトロピカルな香りがぐっと鮮明に感じられるようになりました。
少し厚みのあるガラスも、泡持ちをよくしてくれる気がします。
実際に、自宅でIPAをグラスで飲み比べたことがあるんですが、違いは歴然でした。
チューリップ型に注いだビールは、グラスを顔に近づけただけで香りがふわっと広がり、飲む前から楽しめるんですよね。
スタウトやポーターは「パイントグラス」
黒ビールの魅力は、その深みのあるコクと香ばしさ。
これをしっかり味わうには、安定感のあるパイントグラスがしっくりきます。
以前、寒い冬の夜にノニックパイントで飲んだオートミールスタウトが忘れられません。
ほんのり温かい部屋で、少し温度が上がってから香るチョコレートのような甘みがたまらなかったんです。
ビールって、こんなに落ち着いた飲み物だったっけ?と新たな発見でした。
個人的には、パイントグラスは使いやすさという点でもおすすめ。
容量もたっぷり入るので、テレビを見ながらのんびり飲むにはぴったりなんです。
ヴァイツェンやウィートビールは「ヴァイツェングラス」
細長くて背の高いヴァイツェングラスは、最初はちょっと扱いにくいなと思っていました。
でも、実際に小麦系のビールを注いでみると、その理由がすぐに分かります。
泡が高く立ち、香りが上部でふわっと広がる。
バナナのような香りや酵母のスパイシーさがより一層引き立つんです。
夏の夕方、ベランダでこれを飲む時間が、ひそかな楽しみになっています。
それともう一つ、透明感のあるグラスに黄金色のビールが映えるのが、見ていてとても気持ちいいんですよね。
味覚だけでなく視覚からも楽しめるところが、クラフトビールの魅力のひとつです。
高アルコールのビールは「ゴブレット」や「スニフター」
ベルギー系のビールやバーレイワインなど、アルコール度数が高く香り豊かなビールには、丸みのあるグラスが似合います。
スニフターグラスは、手で包み込むことでビールがじんわり温まり、香りの変化を楽しめるのが特徴。
最初はアルコールの強さが前に出ていても、だんだん甘みや熟成感が広がってきて、まるで一本の物語のように味が変わっていきます。
このグラスで飲むと、時間とともにビールの表情がどんどん変化していくので、飲み終わる頃にはちょっとした旅をしたような気分になることもあります。
クラフトビールのグラス選びで失敗したこと
忘れもしないのが、ダブルIPAを家の分厚いコップで飲んだときのこと。
ホップの香りを楽しみにしていたのに、なんだか香りがぼやけてしまって。
しかも苦味だけが強く感じられて、正直なところ「しまったな」と思いました。
後日、同じビールをチューリップグラスで飲んだら別物でした。
香りが立ち上がり、苦味に奥行きが出て、甘みやフルーティさまで感じられる。
これには本当に驚きました。グラスって、やっぱり侮れないんですよね。
似たような経験は何度かあって、グラスを変えるだけで「このビール、こんなに美味しかったのか」と再発見することがあります。
だからこそ、試してみてほしいんです。自分に合ったグラスを。
外で飲むときのグラス
ビアバーやレストランでクラフトビールを注文すると、出てくるグラスの形にこだわりを感じることがよくあります。
以前、東京の小さなパブで飲んだセゾンは、細長いフルートグラスに注がれて出てきました。
一瞬「えっ?」と思いましたが、飲んでみて納得。
香りの立ち方が華やかで、シュワっとした炭酸感が心地よかったんです。
店によっては銘柄ごとに専用グラスを使うところもあり、見た目も楽しいし、文化や歴史を感じられるのも面白いポイントです。
あと、グラスの温度にも注目してみてください。
キンキンに冷えたグラスは爽快感が増すし、常温のグラスだとビール本来の香りがより感じられます。
お店のこだわりが垣間見える瞬間でもあるんですよね。
グラスを買うならどこ?
実物を手に取れる雑貨店やキッチン用品のお店もいいですが、最近はクラフトビール専門のオンラインショップもかなり充実しています。
最初の一本は、好きなスタイルに合わせて選ぶのが良いと思います。
私はIPAが好きだったので、チューリップ型を選びました。
見た目の美しさも含めて、使うたびにちょっと嬉しくなるグラスです。
気をつけたいのは、グラスの厚みと収納。
あまりに分厚いと口当たりが悪くなってしまうし、棚に入らないほど背が高いと保管に困ることも。
なるべく軽くて薄め、そして自分の生活スタイルに合ったサイズ感を選ぶと後悔が少ないと思います。
デザイン性も意外と大事で、インテリアとして置いておくだけでもテンションが上がるんですよね。
お気に入りのグラスが一つあるだけで、日常の中にちょっとした特別感が生まれます。
お手入れと保管のちょっとしたコツ
お気に入りのグラスを長く使うためには、ちょっとしたコツがあります。
ビールグラスは油分と洗剤の香りが大敵。
私はぬるま湯と専用の柔らかいスポンジで、できるだけ洗剤なしで洗っています。
自然乾燥させることで、表面に余計な成分が残らず、泡立ちもきれいに保てるんです。
飲む直前に冷蔵庫で少し冷やしておくのもおすすめ。
とくに夏場は、冷えたグラスに注ぐだけでビールが格段に美味しく感じられます。
逆に高アルコールの芳醇なビールには、常温のグラスの方が香りが立ちやすいので、スタイルごとに変えてみると面白いですよ。
水切り用のグラススタンドを使うと、乾燥が早くて衛生的。
私は最近お気に入りのスタンドを見つけて、キッチンに常設しています。
プレゼントにもぴったりなクラフトビール用グラスの魅力
実は、クラフトビール用グラスってプレゼントにも向いているんです。
私も何度か、ビール好きの知人に贈ったことがあります。
あるとき、ベルギービール用のゴブレットをプレゼントしたら、とても喜ばれました。
飲み方が変わるだけで、いつものビールがもっと特別に感じられるみたいで、「これ、コーヒーにも使ってるよ」なんて言われたこともあります。
グラスって、選ぶ側も相手を想像しながら考える楽しさがありますよね。
軽やかなスタイルが好きな人にはフルート型を、じっくり飲むのが好きな人には重厚感のあるスニフターを選ぶといった具合に。
もちろん、グラスだけでは物足りないと感じたら、クラフトビールの瓶や缶を1本添えてもいい。
ちょっとした“飲み比べセット”みたいになって、それだけで特別な贈り物になります。
最近はギフトボックス付きのセットも増えているので、見た目も華やか。
クラフトビール好きなら間違いなく喜ばれるはずです。
まとめ
グラス選びって、決まりがあるようでいて、実はとても自由なもの。
たとえばIPAをパイントで飲んだっていいし、スタウトをスニフターで飲んでもいい。
大切なのは、「自分がどう楽しみたいか」ということだと思います。
いくつかのグラスを使い分けてみると、同じビールでもまったく違った表情を見せてくれる。
その変化が、クラフトビールの奥深さをより一層引き立ててくれます。
今日のビールを注ぐグラス、ちょっと意識して選んでみませんか?
その一杯が、きっと昨日より美味しく感じられるはずです。
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