ビールを飲み始めたばかりの頃って、どれも似たような味に感じることが多いと思います。
最初に口にするのはスーパーマーケットやコンビニで売っているおなじみの銘柄がほとんどで、苦味の印象ばかりが残ってしまう。
でも、本当はビールってとんでもなく奥深くて、味も香りも驚くほど幅広いんです。
自分の好みに合うビールに出会えたときの喜びって、かなり特別なものがあります。
今回は、自分の経験もまじえながら、好みに合ったビールを見つけるためのヒントをじっくり紹介していきます。
自分好みのビールの探し方|味の傾向を知る
最初にやってみてよかったのは、自分の舌がどんな味に反応しやすいかを観察することでした。
たとえば、初めてクラフトビール専門店で注文したとき、迷ったあげく選んだのがヴァイツェン系のフルーティーな一本。
飲んだ瞬間「これなら飲める」と素直に感じたんです。
そこから「苦味が強いタイプは避けたほうがいい」と気づき、徐々に好みの方向が定まっていきました。
自分の場合は柑橘系やスパイスの香りが立っているタイプに惹かれる傾向があると気づいてからは、ホワイトエールやセゾンを中心に選ぶようになりました。
その変化は、飲み比べてみて初めて実感できたものだったので、とにかく少量ずつ試すことが大事なんだと思います。
香りを頼りに探していく
ビールの香りって、意外と好みを左右するポイントなんですよね。
フルーツやハーブ、スモーキーな香りがするものまで種類は豊富で、香りだけで惹かれることも少なくありません。
実際、ある日飲んだベルジャンホワイトの香りがあまりにも心地よくて、それ以降ずっと同系統を追いかけています。
飲む前にグラスに鼻を近づけて、香りだけで選べそうなものを見つけていくという楽しみ方もあります。
ラベルに「シトラス」「バナナ」「コリアンダー」などと書かれているビールを手に取ってみると、意外としっくりくることも多いです。
自分好みのビールの探し方|飲む環境やタイミング
同じビールでも、飲む場所や時間によって印象がまるで変わるんです。
ある夏の日の昼下がり、公園でピクニックしながら飲んだセッションIPAは、家で飲むよりも何倍もおいしく感じました。
爽やかな風と青空の下で飲むビールは、香りも味もより開放的に感じられて、あっという間にお気に入りの一本になったんです。
反対に、仕事終わりの疲れた夜に飲むスタウトは、じんわりと体に染み込んでくる感じがして、まるでお酒に癒されているような感覚になったのを覚えています。
食事との相性で気づく好みもある
ビール単体で味わうのもいいですが、料理と一緒に楽しむと自分の好みがよりはっきり見えてきます。
例えば、カレーや唐揚げなどスパイスの強い料理と合わせるならIPAが相性抜群でした。
一方で、チーズ系の前菜やクリーム系のパスタに合わせたときにしっくりきたのは、苦味が控えめで香り高いホワイトビール。
この相性って、実際に何度か試してみないとわからないものです。
ただ、食べるものと合わせることで「こういうときにはこのビール」と引き出しが増えていく感覚がありました。
自宅での飲み比べも意外と楽しい
外で飲む時間もいいですが、落ち着いた場所でゆっくり味わいたいときは、自宅飲みがいちばんです。
あるとき、冷蔵庫に入っていたクラフトビールを3本まとめて開けて、順番に飲み比べてみました。
スタイルも香りもバラバラな3種類で、それぞれの個性がはっきりとわかった瞬間、自分のなかに「香り」「苦味」「コク」という基準が定着した気がしたんです。
静かな夜に音楽をかけながらグラスを片手に過ごすと、集中してビールと向き合える気がして、どこか贅沢な気持ちになれます。
自分好みのビールの探し方|ビールイベントやブルワリーツアー
もしもっと深く知りたくなったら、実際にビールが作られている現場を見に行くのもおすすめです。
以前、地方のブルワリーを訪れたときのこと。大きなタンクの前で職人さんがホップの香りを確認していて、その真剣な眼差しに思わず見入ってしまいました。
その場で試飲させてもらったIPAは、これまで飲んだ中で一番フレッシュで、今でも忘れられない味です。
また、街中で開催されるクラフトビールフェスでは、全国各地の個性豊かなビールに一度に出会えるという魅力があります。
ビール好き同士の会話も弾んで、ちょっとした旅気分を味わえるのもポイントかもしれません。
初心者でも安心して楽しめる空気感
「詳しくないから不安…」と思っている人でも、ビールイベントの雰囲気はとてもオープンです。
出店しているブルワリーのスタッフも気さくな人が多くて、「こんな味が好きなんです」と伝えるとおすすめを丁寧に教えてくれることもあります。
自分も最初は緊張していたけれど、何度か足を運ぶうちに、自信を持って選べるようになっていきました。
こういう体験を通して、ビールとの距離がどんどん縮まっていく感覚を楽しめると思います。
自分好みのビールの探し方|ビールの種類を知る
「ラガー」「エール」だけではない、ビールの世界はとにかく多彩です。
初めてスタイルの違いを意識しだしたのは、クラフトビール専門店でフライト(少量ずついろんな種類を飲めるセット)を頼んだときのこと。
それぞれまったく違う味と香りで驚いたのを今でも覚えています。
たとえば、ベルジャン系の甘さとスパイス感、サワーエールの酸味、バーレイワインの重厚感など、ほんの少しずつ試すだけでも世界が広がる感じがして、新しい発見ばかりでした。
店員さんとの会話から見つかる一本もある
自分の味の好みを伝えてみると、思いがけないビールを勧められることがあります。
とある日、バーの店員さんに「苦味が強すぎない、香りのあるビールが好き」と伝えたところ、サーブされたのがアメリカンペールエール。
それまで飲んだことのないタイプだったけど、これがすごくしっくりきて、そこからまた新しい好みに出会えたんです。
会話があると、ただの一杯がストーリーのある一杯になる感覚もあって、それもまたビールの魅力だと思います。
まとめ
ビールって、最初は難しく感じても、自分の“おいしい”を信じて一歩踏み出してみれば、案外シンプルです。
ラベルやスタイルにこだわりすぎず、香りを感じて、口にしたときの第一印象を大事にするだけで、少しずつ好みは見えてきます。
失敗してもいいし、気まぐれで選んでも大丈夫。
飲んでみないとわからないことだらけなので、気負わず、でもちょっとだけ興味を持ってビールに向き合ってみると、それだけで世界が変わるような気がします。
自分にぴったりの一本に出会えるその瞬間が、これからのビール時間をもっと豊かにしてくれるはずです。
コメント