ビールの世界には、まだまだ知られていない個性的なスタイルがたくさんあります。
その中でも、強烈なインパクトと奥深さを兼ね備えた存在が「ラオホビール」です。
初めて出会ったときの衝撃は、まるでビールの常識が覆されたような感覚でした。
燻製香がぶわっと広がって、どこか懐かしいような、それでいて新鮮な味わい。
じわじわとハマっていく人も多い、そんなラオホビールの魅力について掘り下げてみたいと思います。
ラオホビールの魅力とは?
ラオホビールは、燻製された麦芽から生まれる独特の風味が特徴のビールです。
ドイツ・バンベルク地方の伝統的な製法を今も守り続けるスタイルで、他のビールにはない深みと香ばしさがあります。
燻製香が主役の唯一無二の風味
一番の特徴は、なんといってもこのスモーキーな香りです。
麦芽を乾燥させる際にブナの木を燃やし、その煙で燻すことで、まるでベーコンのような香りが麦芽に染み込みます。
最初は驚くほど強烈に感じることもありますが、慣れてくるとその香ばしさがクセになるんです。
飲むたびに変化する味わい
香りだけでなく、飲むたびに感じる味わいの変化もラオホビールの面白いところ。
冷たい状態ではスモーキーさが前面に出ますが、温度が上がるにつれて麦芽の甘みやコクが際立ってきます。
一口目と最後の一口でまったく違う印象になる、そんな奥深さも魅力です。
初めての人へのアドバイス
ラオホビール初心者にとって、最初の一杯はやや衝撃的かもしれません。
そんなときは、冷たいうちに少しずつ味わいながら、自分のペースで飲んでみてください。
無理に香りを嗅ごうとせず、自然体で楽しむのがコツです。
ドイツ・バンベルク発祥の伝統
ラオホビールのルーツは、ドイツのフランケン地方・バンベルクにあります。
ここでは何百年もの間、麦芽を薪で燻していた伝統があり、そのままの製法を守り続ける醸造所が今も健在です。
シュレンケルラ醸造所の存在
その中でも特に有名なのが「シュレンケルラ醸造所」。
現地では地元の人々にとって生活の一部のような存在で、観光客も多く訪れます。
伝統的な石造りの地下室で熟成されたビールは、燻製香とまろやかさのバランスが絶妙で、本場ならではの深い味わいです。
実際にバンベルクを訪れてみると、旧市街の石畳や美しい運河、歴史ある大聖堂など、まるで中世にタイムスリップしたかのような街並みが広がっています。
その中に溶け込むように佇むシュレンケルラのパブでは、昼から地元の人々がラオホビールを片手に談笑する姿が見られ、
まさに文化として根付いていることを実感します。
観光の合間に立ち寄って、現地の料理とともにラオホビールを味わう体験は、まさに格別。
旅の記憶にしっかり残るひとときになるはずです。
文化とともに生きるビール
ラオホビールは、単なる飲み物ではなく、バンベルクの文化や人々の暮らしに深く根付いています。
地元の居酒屋では、食事と一緒にゆったりとラオホを楽しむ光景が日常的。
ビールが人と人とをつなぐ媒介にもなっているのです。
ラオホビールに合うおすすめペアリング
ラオホビールは、その個性的なスモーキーな香りのせいで、「料理と合わせにくいんじゃない?」と思うかもしれません。
でも実は、これがけっこう多彩な料理とマッチするんです。
どんな料理と相性がいいのか、実際に試してみるのもラオホの楽しみ方のひとつ。
ここでは、家飲みでも外飲みでも活かせる、おすすめのペアリングをご紹介します。
燻製料理との王道コンビネーション
まずはやっぱり王道、燻製されたおつまみとの組み合わせ。
スモークチーズやスモークサーモン、ベーコンなんかは、もはや説明不要の相性の良さ。
ラオホビールの持つ「燻された麦芽の香り」が、これらのスモークフードと合わさることで、まるで一皿の完成された料理のような一体感が生まれます。
個人的には、炙りベーコンに黒胡椒をガッツリ効かせて、軽く温めたものをつまみに飲むのが最高。
ラオホの苦みとスモーキーさがベーコンの脂をスッと洗い流してくれるので、ついつい飲みすぎ注意です。
スモークナッツとの相性
おうち飲みで簡単に楽しめるのが、スモークナッツとの組み合わせ。
アーモンドやカシューナッツに軽くスモークがかかっているタイプのものは、ラオホの香りとびっくりするほどマッチします。
特に、塩味のバランスがよいものを選ぶと、香ばしさとビールのモルト感が口の中でふわっと広がって、焚き火のそばで飲んでるような気分に。
ちょっとしたキャンプ気分を味わいたい夜にぴったりなペアリングです。
スモークチーズの奥深さ
もうひとつぜひ試してほしいのが、スモークチーズとの組み合わせ。
特にハードタイプのチーズ(たとえばスモークゴーダやスモークチェダー)は、ラオホの重厚感と非常によく合います。
チーズのコクとスモーク香が重なり合って、味わいに奥行きが生まれます。
ワインでチーズという組み合わせもいいけれど、ラオホとチーズのマリアージュも一度味わうとクセになる深みがあります。
これ、意外とハマる人多いです。
肉料理や和の惣菜にも好相性
ラオホは肉系ともばっちり。
特にグリルやローストの香ばしさが加わった料理とは相性抜群。
ロースト料理との調和
たとえば、ローストポークやスペアリブ。
表面にこんがり焼き色がついていて、脂がじゅわっと溢れるようなタイプの料理は、ラオホビールのスモーキーな香りと調和しやすいです。
さらに、スパイスやハーブの風味がしっかり効いた肉料理もおすすめ。
香りのレイヤーが重なって、ビールとの相乗効果が楽しめます。
ビールをグラスに注いで、ひと口。肉にかぶりついて、また一口。
そんな繰り返しで、気づいたらグラスが空になっているかも。
和食との意外な組み合わせ
意外かもしれませんが、和の惣菜とも相性が良いんです。
たとえば「いぶりがっこチーズ」は、もはや鉄板。
漬物の塩気とスモーク香、チーズのコク、それらがラオホの香りに驚くほどよく合います。
他にも、魚の干物(みりん干しや西京焼き)、焼き鳥のタレ味、照り焼き系の料理もおすすめ。
和の「甘じょっぱい」味つけって、ラオホのモルト感や燻製香ととてもよくマッチするんです。
「ラオホって洋風なイメージがあるけど、和食ともいけるじゃん!」と、ちょっとした発見になるはずです。
デザートとの新しい楽しみ方
ラオホビール、実は甘いものとも好相性。
食後のデザートタイムにも、ちょっと試してみてほしい組み合わせがあります。
チョコレートとのマリアージュ
特にビターチョコやガトーショコラのような、カカオの苦味と甘さが共存しているスイーツは最高のペア。
ラオホの香ばしさとモルトの甘みが、チョコレートのコクにふんわり寄り添ってくれる感じ。
ちょっとしたデザートビールとして、ワイングラスに注いでゆっくり飲むのもアリです。
キャラメルやナッツのスイーツ
キャラメルナッツ、バタークッキー、ピーカンパイのような焼き菓子系も好相性。
特にバターの香りやキャラメルの甘さが、ラオホのスモーキーな個性と対照的な魅力を見せてくれます。
甘じょっぱさと香ばしさのバランスを楽しむという意味では、ある意味「おつまみ」的感覚で食べても全然アリ。
日本で楽しめるラオホビールとおすすめのお店
ラオホビールの本場・バンベルクを訪れるのはハードルが高くても、日本国内でも個性あふれるラオホを楽しめる場所があります。
燻製香のインパクトが強いため「好き嫌いが分かれる」と言われがちですが、実際に飲んでみるとクセになる人も多く、クラフトビール好きの間では根強い人気があります。
現地での体験が難しいという人でも、国内の専門店やブルワリーであれば、本場さながらの香りや味わいを再現したラオホビールを楽しめます。
たとえば、薄暗い照明の中、木の温もりを感じる空間でゆっくりと一杯を傾けると、不思議とバンベルクの石畳の風景が思い出されるような、そんな気分になれるんです。
シュレンケルラの輸入ビールを扱うお店
シュレンケルラのラオホビールは、輸入品として日本でも手に入ります。
都内では、クラフトビール専門のバーや高級スーパー、オンラインショップで購入できることも。
瓶を開けた瞬間、燻製の香りがふわっと立ち上り、本場の味わいがそのまま楽しめます。
国産ラオホを醸造するブルワリー
近年では、日本国内のクラフトビール醸造所でも、ラオホスタイルに挑戦するブルワリーが増えてきました。
北海道の「ノースアイランドビール」や長野の「ヤッホーブルーイング」など、個性を活かした燻製ビールを限定で出すこともあり、飲み比べを楽しむのもまた一興です。
実際に飲み比べてみると、同じラオホでもスモーキーさの加減や、ボディの重さ、苦みのバランスに違いがあり、それぞれの造り手のこだわりが垣間見えます。
「これ好きかも」と思える一本に出会えた時の喜びは、本場を訪れたようなちょっとした感動すら味わえるかもしれません。
まとめ
ラオホビールは、その強烈なスモーキーさから、好き嫌いがはっきり分かれるビールかもしれません。
でも、それだけにハマったときの満足感は格別です。
普通のビールに飽きてしまったとき、ちょっと変わった味を探しているとき、あるいは燻製料理とじっくり向き合いたいとき。
そんなタイミングで、ぜひ一度ラオホビールを手に取ってみてください。
きっと新しいビールの世界が広がるはずです。
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