「クラフトビールを飲んでみたけど、正直まずかった…」そんなふうに感じたことはありませんか?
実はそれ、選んだ銘柄の“スタイル”が合わなかっただけかもしれません。
クラフトビールの世界は想像以上に広くて奥深いもの。
苦味が強いものから、まるでフルーツジュースのような軽やかな一杯まで、味の幅がとにかく豊富なんです。
この記事では、初めてのクラフトビールでつまづいた経験をもとに、なぜ「まずい」と感じるのか、どんなスタイルが飲みやすいのかを、体験談を交えてやさしく解説します。
最初に飲んだクラフトビールが口に合わなかった理由
最初に飲んだクラフトビールは、地元のクラフトビールフェスで出会ったIPAでした。
イベントの雰囲気にのまれて「オススメです!」と渡された一杯をそのままグラスに注ぎ、期待に胸を膨らませて口をつけた瞬間、思わず眉がひそみました。
「えっ、酸っぱい…?しかも後味がずっと残る…」
普段からキリンやアサヒのような、すっきりしたラガーしか飲んでいなかった自分にとって、そのIPAの柑橘系の香りとガツンとくる苦味は、正直“異物”でした。
喉ごし重視のピルスナーに慣れていた舌には、「美味しい」の基準がまるで違っていたのだと思います。
しかもそのときは、周りに「これはね、ホップの香りが…」なんて解説してくれる人もいなかったので、完全に置いてけぼりでした。
フェスで手渡されたその一杯が、クラフトビールとの初対面だったわけです。
もしあのとき、「これはIPAっていうジャンルで、パンチのある苦味が特徴なんですよ」と一言でも聞いていれば、もう少し構えて飲めたかもしれません。
何も知らずに飲んだ結果、「クラフトビールってまずいな」という先入観だけが残ってしまったんです( ;∀;)
味の幅が広すぎるという問題
クラフトビールの世界に足を踏み入れて驚くのが、その“味のレンジの広さ”です。
たとえば「IPA」だけでも、アメリカンIPA、ダブルIPA、ニューイングランドIPAなどが存在し、それぞれ苦味も香りも別物。
ビールって、元々は「のどごし」で一括りにされる飲み物だと思っていたんです。
ところがクラフトビールに出会ってからは、「これはもはや別の飲み物なんじゃ…?」と感じるほど、ジャンルごとの個性が強い。
ペールエールは香ばしく、スタウトは黒ビール特有の甘みとコクがあり、ヴァイツェンになるとバナナのような香りがふわっと広がる。
どれも、最初に“知らずに”選んだら、驚きや戸惑いが先に来るはずです。
これは、ワインやコーヒーと似ている部分かもしれません。
コーヒーが「苦い飲み物」から、「浅煎りのエチオピアはフルーティで酸味が心地よい」とまで語れるようになるまでに、少しずつ慣れが必要なように。
クラフトビールも「知ってから飲む」ことで、その味の複雑さや面白さに気づけるようになるのだと思います。
自分の場合、最初に飲んだIPAが苦手でしばらく距離を置いたあと、次に飲んだのはヴァイツェン。
小麦が原料のほんのり甘い白ビールで、バナナっぽい香りがまるでデザートのようでした。
これが本当に飲みやすくて、「あれ、クラフトビールってこんなにやさしい味もあるんだ」と驚きました。
つまり、最初に口にしたビールのスタイル次第で、「クラフトビール=苦い・クセが強い」と決めつけてしまうのは、ちょっともったいないということなんです。
ひとつ合わなかっただけで、他の何十種類もの可能性を見逃してしまうのは、ビール好きとしては非常に惜しいと感じます。
初心者が苦手に感じやすいスタイルとは?
クラフトビールに興味はあっても、最初に飲んだ一本で「なんか合わない…」と感じてしまう人は案外多いです。
これまでに何人もの友人にクラフトビールを勧めてきましたが、そのたびに苦手反応が出やすかったスタイルがあります。
特に多かったのが、IPA系とサワーエール系。
このふたつは、好きな人にとってはどハマりする魅力がある反面、「ビールってこういうもんでしょ?」という固定観念があると、最初の一口でつまずきやすいです。
自分自身、IPAのあの強烈なホップの苦味に慣れるまで、半年以上かかりました(笑)
IPAが「まずい」と感じる人の心理
IPA(インディア・ペールエール)は、クラフトビール界ではかなりメジャーなスタイルです。
ホップの香りが華やかで、グレープフルーツやレモンピール、ハーブっぽさ、時には松脂のような独特のアロマを持っています。
そしてなにより、苦味がガツンと来ます。
この「苦い=うまい」が通用するかどうかは、実はかなり人を選ぶポイント。
ある日、IPAを初めて飲んだ友人がポツリと一言。
「これ…芝生食べてるみたいだな」とつぶやいていて、笑いをこらえるのに必死でした。
でも面白いもので、その友人、今では毎月IPAの定期便を注文してます。味覚は変わるんです、本当に。
最初は薬草っぽい、グレープフルーツの白いワタのような渋みが嫌だと感じる人も多いです。
特に「のどごし命!」みたいなビール観を持っている場合、その“華やかさ”や“複雑さ”がピンとこないかもしれません。
IPAは、最初から美味しく感じられる人よりも、だんだん慣れて「気づいたら好きになっていた」というケースが多いジャンルです。
無理に最初から手を出すより、舌が少し慣れてからトライしても全然遅くありません。
サワーエールの酸味にびっくりするケース
次にクセが強いのが、サワーエール系。フルーツや乳酸菌、酢酸菌を使って酸味を出したスタイルで、ビールのなかでもかなり異端児です。
私が初めてサワーを飲んだのは、真夏の夕暮れ。
すごく涼しげなラベルで、名前も「サマー・ピーチ・ベルリーナヴァイセ」。
桃の風味、軽やかな泡…と聞けば期待が膨らみますよね?
でも、口に入れた瞬間、「え、これビール?」と動揺しました。
すっぱくて、口の中がキュッとなって、ビールの苦味ではなく、完全に酸味が主役。しかも香りもどこかヨーグルトっぽい。
夏に飲むには爽やかでいいのですが、「キンキンに冷えたのどごし最高なビール」を想像していた場合、確実に裏切られます。
ある友人は、最初の一口で「え?これ腐ってる?」と口に出しました。
もちろん腐ってません。むしろ高度な発酵技術でつくられたものですが、「ビール=黄金色・苦味・爽快感」というイメージしかないと、ギャップに混乱するのは当然かもしれません。
クラフトビールの選び方は?
いきなり個性の強いIPAや、酸味がクセになるサワー系から入ると「やっぱりクラフトビールって自分に合わない」と思ってしまうかもしれません。
私が周囲にクラフトビールをすすめるときは、まず「安心して口にできるもの」から試してもらうようにしています。
いきなり冒険する必要はなく、少しずつ、慣れていくようなステップがあってもいいと思うんです。
ヴァイツェンはフルーティーで飲みやすい
まず手に取ってほしいのが、ドイツ発祥の「ヴァイツェン」というスタイルです。
これ、見た目は少し白っぽく濁っていて、香りがふわっと甘く、口に含むとバナナのようなニュアンスが広がります。
苦味はかなり控えめなので、「ビール=苦い」のイメージをやさしく裏切ってくれる存在です。
私が初めて「クラフトってうまい!」と心から思えたのも、ヴァイツェンでした。
オトモニの定期便で届いた一本がきっかけだったのですが、見た目も味もまるで優等生。
ひとくち飲んだ瞬間、「あ、これは誰でも好きかも」と思えるほど親しみやすい味わいでした。
冷やしておけば夕食前のリラックスタイムにもぴったりで、いまでもよく冷蔵庫にストックしています。
ピルスナーなら普段飲みにも自然になじむ
クラフトビール=変わり種というイメージがあるかもしれませんが、実は「いつものビール」をクラフトで楽しむ選択肢もあります。
その代表が、ピルスナー。
日本の大手メーカーがつくるビールも、実はほとんどがこのスタイル。
でも、クラフトのピルスナーは香りやコク、飲みごたえが微妙に違っていて、よく知った味のようでいて「あれ、なんか違うな?」という驚きがあります。
苦味が程よく効いていて、でも後味はすっきり。
食事と一緒に飲んでも邪魔をせず、それどころか料理の味を引き立ててくれます。
「変わったビールより、毎日飲めるのがいい」と言う知人にも、このタイプはすんなり受け入れられました。
クラフト初心者にこそ、ピルスナーの奥深さに気づいてほしいと思っています。
スタウトは甘みのあるタイプから入るのがおすすめ
黒いビールって、なんとなく敷居が高い印象ありませんか?
見た目が濃くて、苦味も強そう…そんな先入観があると、どうしても避けたくなる存在かもしれません。
でもスタウトには、甘みが強くてデザート感覚で楽しめるものも多いんです。
ミルクスタウトやチョコレートスタウトといった名前の通り、口に含むとカカオやバニラ、時にはコーヒー牛乳のようなニュアンスが感じられます。
私がスタウトに目覚めたのは、とあるカフェでの出来事。チーズケーキと一緒に出てきた黒ビールが、甘くてまろやかで、思わず「これはビールなの?」と声が出ました。
デザートと一緒に味わうという発想が新鮮で、それ以来スタウトに対する印象がガラッと変わりました。
この手のスタウトは、食後の締めにぴったりです。スイーツが好きな人にこそ、ぜひ試してもらいたいタイプ。
自分の「まずい」が変わる瞬間
あるとき、クラフトビール専門店で開催されたテイスティングイベントに参加したことがあります。
そこでは同じスタイルのビールでも、ブルワリーごとに味がまったく違いました。
好きなビールは、自分の中にしかない
「苦いビールが好きだと思っていたけど、甘い香りのあるビールの方が落ち着く」
「酸味は苦手だと思っていたけど、パッションフルーツ入りならアリかも」
そんなふうに、自分の中の固定観念が少しずつ崩れていく感覚がありました。
クラフトビールって、「どれを選ぶか」ではなく「自分がどれをおいしいと感じるか」に焦点がある飲み物だと感じています。
飲み続けるうちに舌が変わる
慣れというのは不思議なもので、最初に苦手だったIPAが、いまでは一番好きなスタイルになっています。
あの複雑な苦味がクセになるんです。
これはビールだけでなく、コーヒーやワイン、チーズなどにも言えることだと思います。
自分に合ったクラフトビールと出会うには?
たくさんの種類があるクラフトビール。
お店に行っても「どれが飲みやすいのか分からない」と迷ってしまうことが多いですよね。
私も最初はそうでした。
冷蔵ケースの前でボトルをじっと眺めては、意味不明な英語やデザインにビビって戻す…そんな日々が続いていました。
そんな中で出会ったのが、クラフトビールの定期配送サービス「オトモニ」でした。
おすすめのクラフトビール定期便・オトモニ
オトモニを使い始めたきっかけは、「クラフトビールって難しそう…でももっと知りたい」という矛盾した気持ちを抱えていたときでした。
ネットで「クラフトビール 初心者 おすすめ」と調べていて偶然見つけたのですが、味の傾向や好き嫌いを登録しておくと、それに合ったクラフトビールを毎月6本、冷えた状態で届けてくれるというサービスでした。
正直、最初は半信半疑。
でも1回目に届いたヴァイツェン系のビールが、あまりにも美味しくてびっくりしました。
甘さと香りのバランスが良くて、ついにクラフトビールが日常の一部になった瞬間です。
自分では絶対選ばなかったであろうビールに出会える、という点でもオトモニはすごく価値があります。
たとえばある月には、青リンゴを使ったサワーが届いたのですが、見た目はシンプルなのに、飲むと酸味の奥に甘みがあって不思議とクセになりました。
こういう「挑戦」も、家でリラックスしながら飲めるからこそ楽しいんですよね。
まとめ
クラフトビールがまずいと感じた理由は、味そのものよりも「選び方」にあるかもしれません。
無理に飲み続ける必要はありませんが、ちょっと違うスタイルや銘柄を試してみることで、まったく印象が変わることもあるんです。
苦手な一本に出会っても、「これはこういう味か」と受け止めて、次に期待する。その積み重ねが、ビールとのいい関係をつくっていくのかもしれません。
今日の一杯が、「これはいけるかも」と思える出会いになりますように。
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