ビール好きにとって、クラフトビールのサブスクはまさに夢のようなサービス。
けれど「サブスク」とひとことで言っても、サービスごとに内容や特徴が大きく異なります。
実際に申し込んでみて「こんなはずじゃなかった」となる前に、自分に合った選び方を知っておくことが大切です。
ここでは、クラフトビールのサブスクを実際に利用して感じたこと、届いたビールの傾向、そして選ぶ際のポイントなどをまとめていきます。
特に初めて利用する人に向けて、体験ベースで丁寧に紹介していきます。
サブスクで届くクラフトビールとは?
どんなビールが届くのかを知っておくと、自分に合ったサービスを見つけやすくなります。
国内ブルワリー中心のラインナップが多い
サブスクで届くビールは、全国のクラフトビールブルワリーから厳選されたものが中心です。東京・埼玉・長野・京都など、地元ではよく知られているけれど、普段のスーパーや酒屋ではなかなか手に入らない銘柄が届くことも多いです。
以前利用していた「Otomoni(オトモニ)」では、初回から山梨の「Far Yeast Brewing」のIPAが届きました。
ホップの香りが鮮やかで、飲んだ瞬間に「これは絶対に普通のビールとは違う」と確信したのを今でも覚えています。
ジャンルのバリエーションが豊富
ラガー、ペールエール、IPA、ヴァイツェン、スタウト……届くジャンルは実に幅広いです。
特定のジャンルに偏ることは少なく、「普段はラガーしか飲まない」という人でも、思いがけずスタウトやサワービールに出会えて視野が広がることもあります。
実際、自分が苦手だと思っていた「ベルジャンホワイト」が、意外にもハーブの香りが心地よくて、2本目を自分で買い足したこともあります。
サブスクは、ビールの好みに幅を持たせてくれる不思議な体験でもあります。
季節限定やコラボビールも楽しめる
季節に合わせて、春には桜の香りを感じるエール、夏にはすっきりしたゴールデンエール、秋はロースト香が強めのポーターなど、四季を感じられるビールが届くのもサブスクの魅力です。
ある月には、京都の「一乗寺ブリュワリー」と人気カフェとのコラボで作られた「コーヒースタウト」が届いたことも。
これがまた絶妙なバランスで、朝の目覚めにも飲みたくなるような香り高さがありました。
自分に合ったサブスクを選ぶには?
ビールの趣味嗜好は人それぞれ。選び方を間違えると、せっかくの楽しみも半減してしまいます。
味の好みをあらかじめ伝えられるかどうか
サービスによっては、事前に「苦味は控えめが好き」「フルーティな香りが好み」などの好みをアンケートで伝えられる仕組みがあります。
これはかなり重要なポイントです。
最初に使ったあるサブスクでは、まったく好みを伝える手段がなく、3本中2本が苦手なビールでがっかりした経験があります。
一方で、現在利用中の「ふたりのみ」では、自分の味の傾向を細かく登録できるため、届くビールが外れにくくなりました。
量と頻度がライフスタイルに合っているか
毎月6本届くサービスもあれば、隔月で12本届くタイプもあります。
冷蔵庫のスペースや飲む頻度によって、どれが合うかが変わってきます。
自分は週に1〜2回の晩酌ペースなので、月6本のプランでちょうどよく感じています。
多すぎると飲み切れず、賞味期限が心配になってしまうので、自分の生活スタイルに合わせることはかなり大事です。
値段だけで選ばない方がいい
もちろん価格も重要ですが、「安いから」という理由だけで選ぶと、味のクオリティや満足感に物足りなさを感じることも。
一度、1本あたり300円ほどの格安プランに申し込んだことがありますが、ビールの種類にほとんど変化がなく、2回目以降はほとんど同じ味ばかり届いてしまいました。
結局、少し高めでも内容が充実している「Otomoni」に戻ってしまいました。
クラフトビールサブスクの意外な楽しみ方
ビールが届くだけじゃない、サブスクには想像以上の楽しみが隠れています。
ビールをきっかけに家族や友人との会話が増える
家で過ごす時間が多くなった時期、サブスクで届いたビールをきっかけに、家族とテイスティング会を開くようになりました。
それぞれに「これが一番好き」などと語り合うことで、普段の会話も自然と弾みます。
ある友人は、Zoom飲み会でサブスクのビールを紹介するのが趣味になっていて、ビールのラベルやブルワリーの背景をプレゼン形式で語る姿が本当に楽しそうでした。
新しいブルワリーを知るきっかけになる
届いたビールに同封されているカードやパンフレットには、ブルワリーの名前や背景が詳しく紹介されています。
これを読むことで、そのビールが生まれた土地や作り手のこだわりを知ることができ、飲むときの満足感がぐっと上がります。
「麦雑穀工房マイクロブルワリー」の説明を読んで、群馬にあるこの小さな醸造所に興味を持ち、旅行のついでに実際に訪れたこともあります。
サブスクがきっかけで旅先の選択肢が広がるとは思ってもいませんでした。
自分の味覚の変化に気づける
毎月さまざまなビールを飲んでいくと、「前は苦手だったのに、今は好きになったかも」と感じる瞬間があります。
これは味覚の変化だけでなく、経験を重ねたことで味わい方が変わってきた証拠かもしれません。
最初は軽めのラガーばかり好んでいましたが、最近はホップがガツンと効いたダブルIPAもお気に入りになってきました。
人の好みは常に変化するもの。
サブスクはその変化を見つけるツールでもあります。
まとめ
クラフトビールのサブスクは、単にビールが届くサービスではなく、味の発見や人とのつながり、新しいライフスタイルを提案してくれるものです。
自分にとってぴったりのサブスクを見つけるには、好みの味、量、頻度、そしてちょっとした冒険心が大切になります。
試してみないとわからないことも多いですが、だからこそその一歩が面白いのです。
もし迷っているなら、まずは1ヶ月だけ試してみるのもいいかもしれません。
きっと、その箱の中には、まだ出会ったことのない自分の好みにぴったりなビールが隠れているはずです。
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